引っ越しのシーズンになると、車の名義変更や住所の変更に関する質問を受けることが多くなります。
「車検証の内容が今の住所のままで引っ越ししたらどうなるの？」
「車庫証明って絶対に必要でしたっけ？」
「今のナンバープレートのままで自動車税の変更ってできます？」
などなど、みなさん忙しいなかでかなり慌てていたり、なかには
「べつに今のままで引っ越ししてもいいですよね？！」
という、開き直った状態の人もいたりします。
今回は、引っ越しをする際の車の手続きに関するお話として
・車の引っ越しの準備はどれくらい前から準備したらいいの？
・車に関する手続きにはどんなものがあるの？
・引っ越しの手続きをしないままだと、どんなデメリットがあるの？
こんな内容についてご説明していきます。
車の引っ越し手続き｜順番を把握しよう
引っ越し前に確認すること
引っ越しと同時に自動車のナンバープレートや車検証の住所を新しい住所に変更する必要があります。
原則として15日以内に引越し先の住所を管轄する運輸支局に住所の変更を申請する必要があります。
ナンバープレートの変更に猶予ができました
これまではナンバープレートの変更は、原則として住所変更と同時に行うことが義務付けられていました。
2022年1月4日(令和4年1月4日)より次回の車検時までが猶予期間に
つまり、引っ越しをして住所の変更の申請をしても、個人としての引っ越しに関しては、その車の時間の車検までは旧住所のときのナンバープレートのままで構わないという特例措置になりました。
とはいえ、面倒なことほど早めに終わらせてしまうほうがあとあとで慌てなくて済むことも確かです。
車検証の内容を確認しよう
自動車の引っ越しに関する手続きとして、車検証の使用者の住所を変更することや、県外に引っ越しする場合はナンバープレートの変更があります。
その際に、車検証の上での所有者や使用者が誰になっているのかで、手続きに必要なしょるいなども変わってきますので、まずは自分の車の車検証を直接確認しておきましょう。
車検証の使用者の住所を変更する
車検証では車を購入して実際に使用している人が「使用者」として名前と住所が記載されています。
引っ越しの場合はこの使用者の住所を変更する必要があり、県外に引っ越す場合はナンバープレートも変更することになります。
車検証の所有者がディーラーや信販会社の場合
車を購入する際にオートローンを利用している方も多いですが、引っ越しをする際には車検証の内容を一部変更することになります。
車検証の上での「所有者」とは、その車の名義変更や抹消などに関することができる権利を持っています。
そのため、車を購入した本人とはいえど、ローンが残っている状態の車は所有権はディーラーや信販会社が持っているため、使用者の住所変更をするときも所有者の許可が必要になります。
■サボカジ
もちろん、引っ越しをするときにローンをすべて終わらせてしまえば住所の変更も簡単にできるようになります。
そこで必要になってくる書類を挙げると
使用者(あなた)
・車検証
・引越し先の住民票
・車庫証明(ただし使用に変更がない場合は不要)
┗保管場所使用承諾書
┗所在図・配置図
┗保管場所標章交付申請書
・委任状(使用者の欄に押印)
・印鑑証明(3ヶ月以内に発行したもの)
上記の書類が必要になりますが、これもケースバイケースで、車庫証明の使用承諾書は月極の駐車場やマンションのどこに車を駐車するのかで必要な書類は変わってきます。
つまり、引越し先の駐車場の管理者によって車庫証明の申請に必要な書類が違ってきますので、予め調べておくほうがいいでしょう。
引越し先でする手続き
まずは住民票を用意
さまざまな引っ越しに関する手続きをするうえで、新しい住所に引っ越したことを証明する書類が出せるようにしなければ先にすすみません。
まずは引越し先の市町村役場に転居届を提出し、そのときに新しい住民票も出してもらっておけばなにかと役に立ちます。
運転免許証の住所変更をする
運転免許証に関しては、新しい住所での住民票や健康保険証などの新住所に引っ越したことが証明できる書類を用意します。
運転免許試験場や運転免許更新センター、その地域を管轄する警察署で手続きを行えば、免許証の裏側に新住所が記載され完了となります。
普通車の引っ越し手続きは煩雑
車検証を見つけておく
わりとあるのが、車検証がどこにあるのかを知らない方が多いということ。
「車検証？たぶん車のダッシュボードの中とかにあるでしょ・・・？」
と思っている方が多いと思いますが、意外と別の場所にあったりで、いざ手続きをするときにすぐに出せなくて慌てることもあります。
とくに前回の車検のときに新しい車検証を郵送してもらったり、車を購入して間もない方は先に探しておいたほうがいいでしょう。
車庫証明書を用意する
発行されてから1ヶ月以内のもので、車庫証明はすべて自分で申請して用意することができますが、自動車整備工場や地元のカーディーラーに依頼することもできます。
その際は車庫証明の発行の手数料を請求されますが、意外といいお値段なので、時間があるなら自分でチャレンジしてみてもいいでしょう。
住民票
引越し先の役場などに転居の届け出をしたら新住所の住民票も取得しておけば、二度手間にならずにすみます。
自動車税申告書
普通車の場合は陸運支局の近隣や同じ建物のなかに県税事務所があり、車検証の住所の変更が完了したら車検証と自動車税申告書を持って県税事務所で申告手続きをしましょう。
委任状
自分で直接に陸運支局に申請に行く場合は委任状は必要ありませんが、車検と同時に整備工場やディーラーに車検証の住所変更を依頼する場合には必要になってきます。
軽自動車の引っ越しでやること
新しい住民票が取れたら
軽自動車の住所変更は普通車よりも少し簡略化されています。
・車検証
・新しい住民票（住所確認申請書でも可）
・ナンバープレート二枚（前後についていたもの）
・車庫証明(地域によっては不要)
車庫証明がいらない地域もある
軽自動車の場合は普通車と違って、必ずしも車庫証明が必要ではなく郊外の広い土地が確保できやすい地域では車庫証明の申請はいりません。
整備工場などに依頼する場合
上述した必要書類に加えて申請依頼書が必要です。
申請依頼書は委任状も兼ねており、第三者である整備工場やディーラーに軽自動車の住所変更にかかる業務を委任する意味合いをもちます。
また、住民票を自分で用意する場合は事前に取りに行く必要がありますが、整備工場に依頼できることもあり、その場合は第三者が個人情報を取得するための委任状への押印が必要になることもあります。
車の住所変更を引越ししたあとも手続きしないデメリット
車の住所変更をしなまま新しい生活を始めるとどうなる？
運転免許証の住所が元の住所のまま
運転免許証は身分証明書も兼ねていますので、免許証の住所が現在の住所になっていないと身分証明証として使えなくなります。
そのうえ、免許証の更新時期になってもお知らせが届かないので、うっかりと運転免許の更新を忘れてしまうおそれもあります。
税金に関するデメリット
納税が滞ってしまうかも
住所変更をしていないと納税用の郵便が新しい住所に届かないため、自動車税が未納のままになってしまう可能性があります。
自動車税の納税証明は車検を受けるときに必要になるので、車検証の更新をするときに「この車は自動車税が未納のままです」となって新しい車検証を交付してくれません。
自動車税を二重に納めてしまう？
普通車の自動車税の場合は、最終的には電子的に処理されていくので、車検での納税証明書も必要がなくなりました。
ただし、納税の方法もいろいろあり、コンビニで納めたり自動的に引き落としされるようにもできます。
もしも納税の処理の手違いで旧住所のときに引き落としにしていたにもかかわらず、家族が新しい住所で納税をしてしまう可能性もあります。
その際は、あまりにも納税のタイミングが近いと、ネット経由での確認ができず二重に納めてしまう可能性もあります。
住所変更の義務を守らなかった場合の罰則
15日を過ぎてしまった場合の罰則とは
新しい住所変更に関する猶予期間を過ぎても車検証の住所変更が完了していない場合、
・車庫証明の住所の変更を怠った場合は10万円以下の罰金
・車検証の住所の変更を怠った場合は50万円以下の罰金
という罰則があり、遅くとも車検のときにはそれぞれの住所変更をすましておく必要があります。
【結論】車の住所変更のベストなタイミング
引っ越しの手続きのついでに終わらす
引っ越しの際にはさまざまな手続きをしていくことになりますが、どんな手続が必要なのかを把握し、計画的に進めていけば車に関する住所変更もついでに終わらすことができます。
「そのうち落ち着いたら」みたいに考えていると、けっこうズルズルと先延ばしになってしまうものです。
とくに官公庁への申請や手続きは平日に行うことがほとんどなので、休暇をとったり時間帯が限られていることも多いので、こういった手続きは「お役所の都合に合わせて行動する」のが効率的です。
遅くとも車検では終わらせておく
先述したように2022年1月4日より、住所変更の猶予期間が、次回の車検までとなり、かなり余裕を持って住所変更をすることができるようになりました。
これにより、車検をする際にまとめて住所変更も依頼するようなケースが増えることになると思われます。
ただ、それでも住所の変更をするのが面倒でそのまま放置してしまう方もおられるかもしれません。
■サボカジ
実際、僕の経験ではそういうお客様もおられますね。
たしかに転勤族でなんども引っ越しをするような方にとっては本当に煩わしいことです。
まとめ
よくある質問
Q）車検証の内容が今のままで引っ越ししたらどうなる？
A）遅くとも車検までには現在の住所に変更する必要があり罰金も保管場所や車検証の住所の変更を怠ったとして罰金もあります。
Q）今のナンバープレートのままで自動車税の変更はできる？
A）旧住所と新住所が同じ陸運局の管轄の場合ナンバープレートの変更は必要ありません。
また、違う管轄の地域に引っ越した場合でも、先に自動車税の申告を出しておくこともできます。
Q）車庫証明は絶対に必要？
A）地域によっては必要がないこともありますが、普通車はほぼ必要だと考えておきましょう。
軽自動車に関しては現在でも車庫証明が不要な地域も多く、事前に確認しておきましょう。
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