車を売るときに、その車を購入したディーラーや中古車販売店に買取査定を依頼した場合、高い査定額を出してもらえるものでしょうか。
先に結論を言うと「悪くはないが条件によっては安く売ってしまうかも」という、結果的にはケースバイケースだったりします。
今回は、車を売るときに気をつけることとして、その車を買ったところではどれくらいの評価をしてくれるのかについてお話していきます。
車を売るならその車を買ったところで売る?
先に述べたように、今回のお話では明確な答えはなく、いくつかのパターンによっては、買ったところで売るのがいい場合もあります。
新車をディーラーで買ってディーラーに売る
同じメーカーの車を乗り続けるユーザーさんも多く、たとえばトヨタの車をトヨタディーラーで購入、数年後にそのディーラーで買い替えをするケースです。
この場合では、ディーラーに顔なじみのスタッフや営業担当もいることが多く、ディーラー側としても、大事な顧客としてリストが残っています。
「店」ではなく「担当者」に売るのが正解
同じディーラーで車を購入するたびに同じ営業担当者と契約を結ぶこともあります。車を販売する側としてはありがたいことで、大事にしたいお客様です。
しかも下取りに出そうとしている車はその営業担当者が売った車なので、「ワンオーナー」であり「自分が売った車」でもあります。
お客様の手前、そんな車に安い下取り額を出すことはできませんので、持たされている買い取り額の枠の上限いっぱいの買い取り額を出してくれることが期待できます。
やはり営業マンも生身の人間、お客様に情が入ることもありますし、次の車も自社で、できれば自分から買ってほしいと考えます。
じつはディーラーに車を下取りに出すと、かなり安い買い取り額になってしまうことがほとんどですが、同じディーラーで新車を買い続けるなら悪くありません。
なによりも、ディーラー側としては自社メーカーの車を下取りで買い取るわけで、状態がよければ中古車としても安心して再販がしやすい物件なのです。
そのうえ、自社の整備工場でメンテナンスもしている場合では、車のコンディションに関しても安心できますし、リコールや事故歴などすべて把握できています。
最高額の買取とはならないケースも
自社で新車で売った車に対してはかなり甘い査定額を出してくれるのですが、それでも最高額で売れないこともよくあります。
たとえば、中古車市場でもかなり人気の高い、いわゆる人気車に関しては、車の買い取り専門店のほうが高く買い取ってくれる可能性があります。
そのうえ、ディーラーで新車で購入している「ディーラー車」で「ワンオーナー車」ということになるので、中古車として再販するときもセールスポイントにすることができます。
結論|おすすめ度は★★★★☆
ディーラーで新車で購入し、次の買い替えでも同じディーラーで下取りに出し新たに新車を購入する場合、新車のほうでも値引きを引き出しやすくなります。
ですのでおすすめ度は★が4個という、高めにしましたが、ディーラーとの信頼性や新車の値引き、下取り額のプラス査定というトータルでは★★★★☆です。
ただし、下取りに出す車の買い取り額の高さだけでいえば、それほどおすすめではありません。
そのうえ車の購入と下取りを同じところで行うと、販売と買い取りのトータルで利益を出すことを意識した商談になってしまいうます。
つまり、新車購入としての商談ではかなりの値引きを提示してくれたとしても、下取り車では高い買い取り額になっていないことがあるのです。
購入する側としては新しく購入する新車の値引きにはかなり敏感ですが、下取り車として手放す車にはあまり関心がありません。
ディーラーだけでなく、どの販売店でも購入者のこういった心理をよく理解しているので、しっかりとした新車の値引きを先に提示して喜ばせ、下取りはシビアに出してバランスを取るのは常套手段です。
サブディーラーで新車で購入した場合
サブディーラーとは特定のメーカーの車だけを販売するのではなく、複数のメーカーの新車を販売する形態の販売店をさします。
つまり、トヨタ車を売ることもあればスズキ車を売ることもある、といった感じで、整備工場も併設していて、車検や整備の延長で新車や中古車を販売することが多いです。
サブディーラーで購入したとはいえ新車で買った場合はワンオーナー車ということになるので買い取りに関してもプラスの査定になります。
そのうえ、その販売店で購入しているので査定をする場合もなるべく高く評価をしてくれることが多いですが、営業担当が前回と違う場合、すこし温度差があります。
先述したようにディーラーで同じ営業担当者から新車を買い続ける場合と同じく、担当者が同じ人の場合はなるべく高く買い取りできるように頑張ってくれることがおおいです。
それに対して、別の担当者や別の営業所から異動してきたスタッフでは、ややビジネスライクな対応になることもあるので、同じスタッフかどうかは大事な要素です。
できれば勤続年数が長く「店長」とか「販売主任」などの決裁権を持った人と長い付き合いをしているほうが、車を下取りに出すときにもプラスの査定額を出してくれやすいです。
結論|おすすめ度は★★★☆☆
新車として購入した車を、購入したサブディーラーに売るという売り方は『悪くはないがベストではない』といえます。
自社で販売した新車なので素性の知れた車ということになり、ワンオーナーでもあるので安心して買い取りできますが、サブディーラーとしては、販売と買い取りの両方で利益を出そうとします。
人気車はともかく、再販が難しい車は高く買い取りたくないのがホンネで、自社で販売した車とはいえ、難しい車は長期在庫になることも見越してマイナスな査定を出すケースもあるのです。
中古車を買った販売店にそのまま売る
中古車販売店で中古車として購入した車を同じところに売る場合は、買い取り額はあまり期待はできません。
なぜなら中古車は故障するリスクが高く、販売するときもそれなりに利益を上乗せして販売後のクレームに備えないといけません。
言い換えれば、もともとの原価は安いので数年後に買い取るとしてもほとんど値段がつかないことがあり、懇意にしている販売担当者がいなければプラスの評価は期待できません。
結論|おすすめ度は★★☆☆☆
買取りメインのお店で買った車を売る場合
自社の整備工場は買い取った中古車の整備のためにあるような、基本的には車の買い取りと再販をメインにしているような業態のお店でも車を購入することができます。
たとえば「ガリバー」や「ネクステージ」などの全国展開しているような企業の場合は、自動車整備ではなく車の売買で収益を出しています。
そのため、買い取りしようとする車の市場価格にもかなりシビアなリサーチをしてきますし、買取査定の精度も高いのでキズやヘコミなどへのマイナス評価もしっかりとします。
いくらそこで買った車とはいえ「販売と買い取りは別件」という、かなりビジネスライクな買い取り額を提示してきます。
いっぽうでメリットもあり、自社の販売ネットワークがしっかりとしている場合、全国の他の店舗のパソコンから在庫として確認できるので広い販路を持っていることになります。
売りやすい車、プレミアが付いている車などはそれに応じて買い取り額にも反映させてくれるので、自社販売でもイバル会社で購入した車でも買い取り査定はシビアですが公平です。
身も蓋も無い話ですが、「高く売れる車は高く買取る」「チャンスがあれば安く買い取ってしまいたい」と考えています。
そのため、自社で購入してくれた中古車かどうかは査定には反映されることはなくあくまでも「買取案件」としてできるだけ利益を残せるように査定します。
結論|おすすめ度は★★☆☆☆
大手中古車販売店で購入した車を同じお店に売るというやり方はあまりおすすめではありません。「当社で中古車を買っていただいたお客様」という認識はないと考えておきましょう。
スタッフの入れ替わりも激しく、購入した当時の担当者も退職していたり異動していることも多く、あくまでも直に担当するスタッフしだいです。
むしろ、1社でしか査定をしていないとなると、なるべく安い金額で買い取りたいとチャンスをうかがっているくらいなので、他の買い取り店でも査定をしてもらって競合させるようにしましょう。
いきなり「ここで売りますので査定してください」という切り出しは避けたほうがよく、足元をみられてしまうこともあります。
ここまでのまとめ
ここまで説明してきたように、新車で購入した車を購入したお店に売るやり方は、その店舗を信頼できる場合ならおすすめです。
新車の納車と下取り車の引き取りの両面でしっかりとサポートをしてくれるので、もっとも楽ちんな車の売り方といえます。
その一方で、「下取り」なので「買い取り」よりも安い買い取り額になってしまうことも多く、車を購入する場合は購入する見積書の中に下取り車として組み込まれてしまいます。
ディーラーはもともと中古車の再販には力を入れていませんし、サブディーラーは「売り買い」の両方で利益を出そうとしてきます。
ディーラー|★★★★☆
下取り車を最高価格で買い取ってくれることはありませんが、至れり尽くせりの丁寧な対応をしてくれることが多く、利便性とまぁまぁの買い取り額を期待する意味で「あり」といえます。
ただし買取専門店や一括査定サイトでの買い取り額を知ってしまうと「そんなに違うんだ・・・。」とがっかりしてしまうことはあります。
サブディーラー|★★★☆☆
サブディーラーで買った車を再度売る場合は、同じ担当者がいて、なおかつ店長などの決裁権を持ったスタッフと懇意にしているかどうかで違ってきます。
とくにたんなる買い取りとして車を持ち込んだ場合はあまり査定額には期待ができないのでその場合は買取専門店などが高い買い取り額になります。
新車もあらたに購入し、なおかつ今の車もそのお店で購入している場合なら、最高額では買い取ってくれませんが、ディーラーのケースと同じく、しっかりとサポートをしてくれるでしょう。
中古車販売店|★★☆☆☆
もともと中古車として購入した車を購入したお店に下取りや買い取りで出す場合、高い査定額にはなりませんし、あらたに車を購入しない場合はかなり安い買い取り額になってしまいます。
あまりおすすめな車の売り方とは言えません。
全国ネットの中古車販売店|★★☆☆☆
サブディーラーとして新車の販売もやっているものの、メインは買い取った車を中古車として再販して収益を出している全国ネットの販売店では、そこで車を購入していたことはあまり関係なくシビアに査定が行われます。
車を売るだけの場合も、あらたにそこで車を購入して下取りにも出す場合でも、あまり高い買い取りや下取りにはならないので、別の買取専門店や一括査定サイトを利用するほうが高く車を売ることができます。
大手の買い取りメイン販売店|★★☆☆☆
「ガリバー」などの車の売り買いをメインにしている全国展開の販売店では、「この車、ここで買った車です」という話をしてもほぼ意味はありません。
販売と買い取り、下取りは全くの別問題として対応されますし、もともと全国ネットで展開しているところはスタッフの出入りや異動が激しく、「人情」のようなものは期待できません。
【結論】車を売るならどこがいい?
ここまで述べてきたように、車をもと買ったところに売る場合、「下取り」も「買い取り」もどちらも高く評価してくれることは少なく、最高額で車を売ることはできません。
同じスタッフから車を購入し、そのスタッフが店長などの販売での決裁権を持った場合なら比較的に高い買い取りや下取りになる可能性はありますが、それでも最高額にはなりません。
とくにディーラーでは新車販売は得意でも買い取りや下取りの査定は苦手というか経験者が少ないケースもあるので、「わからないから安く見積もる」というケースもあります。
では車をより高く売るにはどうすればいいのでしょうか。
買ったところに売るとほぼ間違いなく最高額にはなりません。それはライバルがいないことで市場の原理がはたらかないからです。
車を高く売るための大前提は競合させること
車の買取価格はそのときの市況や、買取する店舗がいかに再販する販路を広く持っているかによって違ってきます。
・より多くの人に売ることができる業者
・より広い知見があり車の価値を判断できる業者
こういった中古車の再販に強い業者に査定をしてもらうことが大事です。
なおかつ、1社だけでは一般ユーザーでは出された査定額が妥当かどうかの判断がつかないため、別の業者と競合させる必要があります。
・ライバルと競合させる
・談合が起きないように短期間で判断させる
こういった具合に、車を高く売るためにはそれなりに交渉術や駆け引きも必要になるため、それなりの知識と時間や労力を割く必要があります。
オークション形式の要素を取り入れる
買い取り店にいきなり一人で出向いていって買い取り額の交渉をしても、買取のプロであり交渉にもたけた彼らから好条件を引き出すことはできません。
プロには別のプロを競合してもらいお互いの出す買い取り額を強く意識してもらうことでより高い買い取り額を引き出すことができます。
そのためにはオークション形式で入札をしてもらったり、その場で業者どうしが一発勝負の入札をしてもらうことで車を高く売ることができます。
最後に
当サイトでは車をより高く売るためのコツとして、いくつかのサービスをおすすめしています。
売ろうとしている車の車種や「とにかく高く売りたい」「交渉はしたくない」「営業電話はされたくない」などのユーザーさんの希望に合わせた方法を紹介しています。
まずは関連する記事をお読みいただき、それぞれのメリットやデメリットをしっていただくことで納得のいく車の売り方が見つかるでしょう。
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