車を売る流れは基本的には同じで、ディーラーで下取りをしてもらうときや一括査定、買取専門店に売るときも同じです。
早めに準備をしておけば、いざ車を手放す段階で慌てずにスムーズに車を売ることができます。
そのためにも車を売るときに必要な書類なども知っておいて、早めに準備をしておきましょう。
また、ネットを利用した一括査定やオークション代行サービスを利用するときに調べておくことも併せて解説します。
車を売る流れ
車を売る流れは、基本的には同じ流れです。
・車を査定してもらう
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・下取り額や買取額を確認する
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・納得できる金額なら売却することを業者に伝える
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・必要な書類を用意する
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・車の中の必要な物を取り出しておく
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・車を引き渡す
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・口座にお金が振込まれる
ざっくりと言えば車を売るときの流れは上記のようになります。
ただし、同時に進めておいたほうがいいことや、かなり前から準備しておいたほうがいいケースもあります。
まずは売りたい車の内容や、あなたの希望する条件を整理しておく必要があります。
「普通車?軽自動車?」
「どこに売る?」
「どんな売り方をする?」
「所有者の名義はだれ?」
「ローンは残っている?」
「車検はどれくらい残っている?」
などなど、いざ売却をすすめるときになって慌てないように事前に確認しておきましょう。
ディーラーに下取り
ディーラーで新車を購入するときに、これまで乗っていた車を買い取ってもらうことを「下取りに出す」という言い方をします。
車を売るときにもっとも楽で手間がいらないのが下取りに出すというやりかたで、ディーラーの営業担当のスタッフがほとんどのことをやってくれます。
流れとしては、新車の見積もりを取って商談をするときに「今の車を下取りしてください」と依頼するだけでOKです。
あとは下取り車の査定をしてくれて、車検証の所有権を確認して必要な書類を用意してくれるので、新しい車を納車するときにそのまま乗り捨てるだけです。
ディーラー側としては、お客様のために面倒なことを代行することで新車を購入しやすくして販売を促進します。
つまり、新車を販売する「ついで」で古い車の処分を手伝ってくれているので、本音の部分としては下取りをすることは手間が増えることと考えています。
デメリットは買取額が安いこと
新車を販売することを主な業務にしているディーラーとしては、下取り車の査定はあまり意欲的ではないうえに、スタッフの査定士としての知識もあまりありません。
そのため、下取りとして査定をしてもらうと、かなり安い見積もり額になってしまうので手間がかからない反面、車を安く売ってしまうことになります。
買取り専門店で売る
自分で車を持ち込んで、車の買取専門店で査定をしてもらう車の売り方もあります。
この売り方のメリットは、ディーラーに下取りに出すよりもはるかに高い買取額で買い取ってくれるということです。
まずは買取店に行って車検証を見せて、実際に車の状態や走行距離などを参考にして査定をしてもらいます。
提示された査定額に納得できれば、そのあとはお店のスタッフに言われた通りの書類などを準備します。
買い取りした車は、いったん買取店の名義に変更するので、名義変更に必要な書類とお金を振り込んでもらうための口座情報も必要になります。
その場で車を置いていくよりも、いったん車を乗って帰ってから、後日に書類と一緒に買取店に車を引き渡すケースが多いです。
ただし買い叩かれることもある
車買取専門店に車を売るデメリットとしては、査定額を安く出しておいてそのまま交渉させないで買い取ってしまう「買い叩き」をする業者もいるということです。
とくに他の買取店で査定をしていない場合だと、出されて査定額が妥当なのか安いのかは一般的なユーザーでは判断が付きません。
「この条件ならこの金額が限界です」
などと高い査定額であることをアピールしてそのまま買い取ろうとしますが、買取店は少しでも車を安く買い取って高く売ることで利益をだしています。
そのため、できる限り安い価格で買い取りたいので、巧みにセールストークを使って売買契約をさせようとします。
一括査定サイトで売る
一括査定サイトは、ネットを使って複数の買取業者に自分の車の査定を一括で依頼できるサービスです。
さきほどの買取店に直接に車を持ち込んで査定してもらうよりも効率がよく、それぞれの業者が出してきた買取額の最も高いお店に売ることができます。
一括査定サイトの流れ
一括査定サイトを利用するには、まずはスマートフォンやパソコン、タブレットなどのインターネットが使えるものからサイトにアクセスします。
そこに車種、年式、走行距離、住所氏名、電話番号などの必要な情報を入力して送信ボタンを押すだけで査定を依頼できます。
一括査定サイトに登録しているそれぞれの買取業者に買取査定の依頼が入ったことが知らされ、買い取りたい車の情報も見れるようになっています。
あとはそれぞれの買取業者と連絡を取って実際に車の査定をしてもらって買取額を出してもらい、売るかどうかを判断するだけです。
車を売ることを決めたら、そのむねを業者に伝えて具体的な売却までの流れを打ち合わせます。
必要な書類を用意することや、車の中の荷物を出しておいて車を引き渡す日を決めるだけで、指定した日に買取業者のスタッフが車を引き取りにきてくれます。
一括査定のデメリット
デメリットはそれぞれの業者からの電話が鳴り続けることで、とくに一括査定サイトに情報を入れて送信ボタンを押した直後はひっきりなしにかかってくることもあります。
買取業者のなかには自動的に電話をかけるような仕組みになっていることもあり、電話を切ったらすぐ別の業者からの電話という、鬼のような営業電話、通称「鬼電」が絶えないことになります。
また、それぞれの業者と買取価格についての交渉をすることになるので、精神的にも疲れてしまうのが一括査定のデメリットといえます。
そのいっぽうで、車を少しでも高く売りたいなら一括査定を利用するやり方がかなり有効で、ディーラーに下取りに出すよりはるかに高く車を売ることができます。
オークション代行で売る
一括査定サイトのような買取額の交渉をせず、車をオークション形式で売ることができるのがオークション代行サービスです。
査定は一回で済むうえに、電話でのやり取りもオークションを運営している会社のオペレーターとだけで終わるので気疲れしなくてすみます。
オークション代行を利用する流れは一括査定サイトと似ていて、ネットでサイトにアクセスして必要な情報を入力します。
あとはオークション代行の運営スタッフからの連絡を待って、車を直接査定してもらう日を決めておしまい。
後日、待ち合わせをした場所や自宅に査定士が来てタブレットやスマートフォンで車の画像を撮影、査定もしてオークションに出品してくれます。
具体的な査定の金額の目安も査定してもらった日に出してくれるので、あとはオークションの当日にどこまで入札が入るのかを専用のアプリで見守ります。
オークションは売ることが前提
オークション代行サービスのデメリットは、オークションに出品して入札が入り、先に設定しておいた「売り切り価格」に入札額が到達したら必ず車を売らなければならないことです。
「ためしにオークションに出してみる」ということはできないので車を売る決心がついてからでないと利用することができません。
ただし、売り切り価格を超える入札が入らなかった場合はオークションも流れ、そのあとならキャンセルして車を売らないことはできます。
車を売る前に調べておくこと・準備すること
車検証が車の中にあるはずなので、車検証を車から出してくるときに走行距離も控えておくと便利です。
また、車検証を車のメーターをスマホで撮影しておくというやりかたもあとで役に立つことがあるのでおすすめです。
車検証の内容を確認しておく
メーカー
その車のメーカー名のことで、日本車なら「トヨタ」「ホンダ」「日産」「スバル」「スズキ」「ダイハツ」といった感じで、車検証を確認するか車の外周にメーカーのエンブレムがついていることもあります。
車種
車種に関しては呼び名を知っていればだいたい大丈夫ですが、車検証でその車の型式を確認しておくとより間違いないです。
型式だけでググってもわかることがほとんどなので、自信がない場合は車検証の型式を検索してみましょう。
年式
年式とは「初年度登録」のことを指しますが、これも車検証に記載されています。車の価値を金額ではかるときに年式は大事な要素です。
年式を確認するときは「平成29年式」とか「令和4年式」といった元号で表されていますが、車検証への記載は「令和4年7月登録」といった登録月も書かれてます。
なかにはマイナーチェンジが行われたのが平成4年10月だった場合、平成4年9月に登録された車と平成4年10月では前期型と後期型という違いがあるケースもあります。
そのため車の査定を依頼するときは登録された月も確認しておくことで査定がスムーズになります。
車検の有効期限
車検証の左下側の部分に車検の有効期限が記載されているので、『令和7年1月25日』といった年月日でメモをしておきましょう。
買取査定では車検の有効期限は大きなプラス要素にはなりませんが、車検が切れてしまった状態やのこり1ヶ月を切るような場合ではマイナスな要素となります。
1年以上有効期限が残っている場合は、多少のプラス査定が期待できますが、車検で支払った費用分の回収は難しいです。
車の状態を確認しておく
車検証の内容を確認したら、つぎは車のコンディションや走行距離を確認しておきます。
これらの情報も買取査定を依頼するときに、査定業者が先に知っておきたい情報です。
走行距離
走行距離を表示させるには、エンジンをかけて「ODO」にすることで総走行距離が出るので控えておきましょう。
ざっくりとした「43,000km」みたいな距離でもかまいませんが、できれば「43,547km」という正確な数値が好まれます。
ボディカラー
車の外装の色をボディカラーといいますが、それぞれのメーカーで調色したものが使用されているので各社で独自の名称があります。
たとえば黒系のパールは「ブラックパール」という言い方が一般的ですが、スズキ車のブラックパールは「ブルーイッシュブラックパール」と呼ばれたりします。
査定申し込みでボディーカラーを入力するときは「ブラックパール」と入力すれば問題ありません。
ただし車の型式がわかっている場合はボディーカラーの候補があらかじめ出てくることもあるので入力がやりやすいサイトもあります。
修復歴の有無
修復歴とは交通事故などで大きな損傷を受けて、車の骨格部分を修正したり交換したことを言います。
つまり樹脂製のバンパーだけを交換したような場合は修復歴にはならず、買取査定でもマイナス評価にはなりません。
ネットを使って買取査定を依頼するときに修復歴の有無を入力する項目がありますが、大きな事故を経験していない場合は「修復歴なし」と入力できます。
車検切れ
車検の有効期限は車のフロントガラスの上側付近に標章として貼り付けられたステッカーを見ると確認できます。
車検証で確認することもできますが、登録車(普通車)の場合が車検証が電子化されているので「自動車検査証記録事項」を確認するのが確実です。
自動車検査証記録事項は車検証が電子化されるまえの車検証に記載されていた内容がすべて載っているもので、電子車検証と一緒に発行されます。
車検証を入れているケースやファイルの中を探せば見つかります。
キズやヘコミなど
車の外装にキズやヘコミがあれば入力しますが、あまり神経質にならなくても構いません。
査定士が実際に査定をするときにくまなくチェックしていくので、小さなエクボ傷なども査定表に記録されます。
査定依頼をするときに報告しておいたほうがいいキズ、ヘコミとは親指で隠せないほどの大きさなら入力しておきましょう。
車検証があると入力が早い
車の車検証にはその車の情報が詰まっていて、とくに買取査定をする上で必要な「車両型式」「年式」「車検の期限」「」
■さらに調べておくといいこと
ここからはより車を高く売るためや、プラスの査定額を引き出したいときに知っておくと有利になる、その車の「セールスポイント」についてです。
ボディーカラー
オプション品についての詳細
カーナビの仕様
車を売るときに必要な書類
自動車検車証(車検証)
車の名義変更をするためには車検証が必ず必要になります。もしも車検証を紛失してしまっている場合は車検証の再発行をさきにする必要があります。
自動車税納税証明書
納税ができていないと自動車の名義を変更することができず、手続きが止まってしまうため、納税証明書が必要になります。
ネット経由で納税した場合
今では電子決済サービスを利用して自動車税を納付することができます。
ただしネット経由の納税を行った場合、納税の確認がすぐにできないことがあり、数日から数週間は納税証明書が発行されないことがあります。
リサイクル券
車を譲渡したり売却するときにはリサイクル料金の支払い義務も引き継ぐことになっています。
リサイクル券は再発行が難しい書類ですが、紛失してしまっていてもネットでリサイクル料金の預託状況の確認はでき、車を売ることはできます。
ただしエンドユーザーに再販するような買い取りではリサイクル券があるほうが親切です。
委任状
車の所有権がユーザー本人である場合は、車の売却に関する書類作成を委任するために委任状が必要です。
普通車の場合は委任状に実印が必要ですが、軽自動車に関しては認印があれば手続きが完了します。
住民票
車検証の所有者が売却する本人であることを証明するために住民票や住所確認証が必要です。
もしも引っ越しをしていたり、結婚して名字が変わっている場合は現在の住所と過去の住所の両方が記載されている書類が必要です。
除票で繋がりが証明される
除票は市役所や支所で発行してもらえる書類で、過去の住所や結婚や離婚で名字が変わった場合でも繋がりがわかる情報が記載されています。
印鑑証明書
印鑑証明書は普通車(登録車)を売るときに必要な書類で、3ヶ月以内に発行されたものでないと無効となります。
ただし軽自動車を売るときには必要ありません。
実印を押す必要がある書類は車の名義変更を委任するための「委任状」や、「譲渡証明書」などです。
車を買取り専門店やカーディーラーなどの業者に売却するときには印鑑証明書は2通必要になります。
振込口座情報
車を売却する場合、現金でのやり取りをする会社は少なく、車を引き取って数日後の平日に指定した銀行口座に振込まれるようになります。
そのため、車を買取査定に出す場合は銀行口座の情報は必要になりますが、ディーラーなどで新車や中古車を購入するときは下取り車が頭金になる場合もあります。
つまり下取った車の売却金を受け取ることはせず、次に購入する車の一部になり、口座の情報は必要ありません。
ただし売却した車の下取り額が200万円、購入した車の車両代金が150万円といった返金がある場合は銀行振込みになるので口座情報が必要です。
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