ユーカーパックはオークション代行サービスの大手で、カーセンサーは一括査定の大手です。
それぞれに特色があり、車を売りたいと考えているユーザーさんにとってはどちらのサービスがおすすめなのか気になるところです。
じつはこの2つのサービス、オークションと一括査定というの対照的な特長もありながら、部分的に提携しています。
カーセンサーはユーカーパックのシステムを利用させてもらって「ユーカーパック的な」車の売り方もできるようになっています。
それぞれのサービスの強みを知ったうえで車を高く売るためのコツや、セールスポイントが違う車の売り方も知っておきましょう。
人気車を売るなら?
輸入車を売るなら?
旧車を売るなら?
低年式車は高く売るなら?
サービスや仕組みの強みをいかして車をより高く、安全に売るためにオークションと一括査定の強みを知っておきましょう。
ユーカーパックとカーセンサーの違い
オークションで車を売るのはかなり不安に感じるユーザーさんも多いはずです。
ユーカーパックはオークションを代行することで安全に、かつ車をより高く買い取ってくれる業者を見つけることができます。
オークション代行サービスとは
ユーカーパックはオークション形式で全国の買取業者に車の画像を見てもらって買取額を入札してもらい、もっとも高い金額を入札した業者が買い取ることができます。
ヤフーオークションのように売り手がリスクを負うこともなく、車の査定からはじまり、入札から売買契約、お金のやり取りまですべてユーカーパックが代行してくれます。
オークションは画像と情報だけが頼り
つまり入札する業者はその車を直接査定するわけではなく、ユーカーパックのスタッフが撮影、査定した内容を見るだけで車の状態を判断します。
ユーカーパックに査定を依頼すると「査定と撮影に1時間くらいかかった」という口コミが多いですが、それは全国の買取業者が納得して入札できるための大事な情報だからです。
一括査定はユーカーパックと対象的?
参加する業者が査定する
それに対して、カーセンサーの場合は、カーセンサーに加入している買取業者に情報が提供されるだけで、査定はそれぞれの業者がユーザーと直接連絡をとって査定も自分たちで行います。
つまり、一括査定のカーセンサーに買取査定を依頼すると、買取査定はそれぞれの業者に査定を依頼してもらうことになります。
複数の査定にもメリットがある
では、3社の査定業者に査定を依頼するならそれぞれ3回の査定をしてもらうのかということになりますが、3社の業者に同じ時刻に来てもらって同時に査定をしてもらうこともできます。
その場で別々の買取業者が査定をすることにはメリットがあり、「今、ここで最も高い買取額を出してくれた業者さんに売ります」という「名刺入札」をしてもらって即席のオークションができます。
じつは、この複数の買取業者による「名刺入札」こそがもっとも高く車を売る方法と言われています。
ただし3社の買取業者に同時に査定に来てもらうには業者側にもメリットがないと集まってくれません。
■関連記事 名刺入札は最強?一括査定を使った車を高く売る方法とは
ユーカーパックは一回の査定でOK
オークションを代行して行ってくれるユーカーパックの場合は先程述べたように1回の査定だけでオークションに出品することができます。
ユーカーパックのスタッフがiPadに専用のアプリを入れていて、撮影された情報はすぐさまユーカーパックのサーバーに送られ、過去のデータを照らし合わせてその車の相場を出してくれます。
独自のデータベースがあるユーカーパックでは、車種・年式・走行距離など主要な情報を入れるだけで直近のオークションでの落札実績を参考に買取額を出すことができます。
その場でおおよそのオークションに出したときの結果がわかるというのはユーザーにとって安心できて、なおかつ「売り切り価格」を安く設定しなくて済みます。
【関連記事】ユーカーパックの売り切り価格とは?トラブルにならないの?
ユーカーパックには独自のシステムがある
ユーカーパックにはUIS(UcarPAC Inspection System)と呼ばれる独自の査定アプリケーションがあります。
UISはiPadなどのタブレットPCにインストールすることができるので査定をする際には査定士はアプリの指示する内容を撮影したり☑するだけで査定をスムーズかつ正確に行うことができます。
それまで培ったノウハウがあり、全国の買取業者が知りたい情報がわかっているので実際に車を見ることができないオークションでも安心して入札できるようになっています。
UISでチェックする内容とは?
外装のキズ・ヘコミ
フロントガラスの飛び石も含め、車の外装に関してはかなり詳細に画像をiPadで撮っています。
とくにキズや凹みのなかでも査定額に大きく栄養するような部分に関しては画像で拡大して確認できるようになっています。
走行距離の画像
メーター内に表示される走行距離の画像は必ず撮影し、車検証に記載されている走行距離との食い違いがないかもチェックしてメーター交換の疑いがないかもチェックします。
内装の汚れなど
内装に関しては汚れはもちろんですが、それぞれのグレードで内装色が違うので、オプション扱いのプラス評価になる部分も業者が見ればわかるようになんカットも撮影します。
専用アプリでオークションをモニタリング
ユーカーパックではオークションに出品したユーザーが自分の車のオークションの状況をスマホなどでリアルタイムで見ることができます。
また、オークションが流れてしまったときは売り切り価格を下げるように設定することもでき、ユーザーがオークションに関わりやすいような仕組みになっています。
ユーカーパックと一括査定の比較
ここからは、車を高く売るために知っておくべき、ユーカーパックと一括査定のそれぞれの強みについてご説明します。
車を高く売るにはその車のセールスポイントを知っておき、その車にマッチした売り方をする必要があります。
たとえば、高年式車と旧車では買い手が違いますが、同様に国産車と輸入車でも欲しがっている人はまったく違います。
オークションがいいのか、買取業者に直接アプローチするのがいいのか、まさに「ケース・バイ・ケース」です。
人気車を売るなら?
人気車といえば、SUVやミニバン、ハイブリッドカー、軽ハイトワゴンなどが挙げられます。
具体的な車種は?
ハリアー、CX5、アルファード、ヴェルファイア、ボクシィ、プリウス、N-BOX、タント、ジムニーなど
買取業者としてはすぐに再販できるような人気車を仕入れておきたいところですが、どの業者も同じように考えているため、業者専用のオークションでも相場は高いです。
エンドユーザーから買うと安く買い取れる
車を安く買い取るには中間マージンを払わないことが重要で、オークションで買い取るとオークションの運営会社に手数料を支払うことになります。
また、遠方のオークション会場の車を買うと陸送費も別途必要になるので、できれば近い地域で車を仕入れたいと考えています。
つまり地元のエンドユーザーから直接に人気車を買い取ることができればメリットが多いです。
輸入車を売るなら?
同じ中古車とはいえ、国産車と輸入車では利益率が違っていて、輸入車のほうが利益が大きいです。
販売したあとになって不具合が発生してしまった場合、保証修理をする場合は大きな損失になることもあるので、利益を多めに取っておく必要があります。
そのため、できれば輸入車は直接確認してから買い取りたいと考える業者も多いので、カーセンサーのような自社の買取スタッフが
じかに査定したいところです。
100万円を切る査定額ならオークションでもOK
中古車を仕入れる業者側としては、高額な中古車を画像などの情報だけで買い付けるのはリスクがあります。
高年式の高級輸入車などは買取額でも300万円を超えるケースも少なくないので、買付けするときはかなり慎重になります。
それに対して100万円以下で落札できるようならオークションで買い付けても赤字にはならない程度に販売することができるので、「安い」と判断できればオークションでも仕入れることはあります。
■ここまでのまとめ
・保証修理が高額になる輸入車は直接に査定をしてから買い付けたい
・高年式の高級外車ならオークションで仕入れるのはリスクがある
・売れ筋の車種で100万円以下の中古車ならオークションでも買うことがある
■結論
高年式の外車なら一括査定がおすすめ
年式が少し古く新車価格も400万円以下の輸入車なら一括査定、オークションどちらもOK
旧車を売るなら?
低年式でもスポーツカーや珍しい車種は、通勤など実用的な乗り方はせず、骨董品を収集するような意図で車を探しているユーザーもいます。
ただしマニアックな趣味を持ったユーザーは全国に少しづついるので、地元で売ろうとするとなかなか売れないことがあります。
そのため、一括査定サイトを利用しても旧車に強い業者がいなければ期待するような買取査定にはならない可能性があります。
全国のマニアにアプローチするのが◯
それに対してオークションに出品した場合などは、より多くの買取業者の目に留まる可能性が高く、海外への輸出が得意な業者や旧車の専門店など、さまざまな買い取り業者が入札してくれる可能性があります。
つまり、旧車やレアな車に関してはオークションに出品するほうが高く売れる可能性があります。
■まとめ
旧車は地元で中古車として再販されることは少なく地域によっては一括査定は難しい
旧車に関しては全国ネットで買取業者にアプローチするほうが高く売れるチャンスが多い
古い日本車は海外ユーザーからの人気も高く輸出のために探している業者もいる
■結論
旧車に関してはオークション代行を先に利用してその時の相場を知りつつ納得できなければ一括査定も利用してみるのがおすすめ
焦らずに高く買い取ってくれる業者を探してみよう
レアな車を売るなら?
キャンピングカーやウェルキャブ仕様など、市場に流通している台数がそもそも少ない車を売るには全国の業者に見てもらえるオークションにメリットがあります。
多くの業者にアプローチする
先に述べた旧車のケースと似ていますが、需要が多くない中古車の場合は独自の販路がない場合は買い手を探すのが難しく一括査定では高い買取額を引き出せないこともあります。
全国的なネットワークをもつオークションに出品してみることで、地元の買取専門店などでは引き出せない金額で入札されることもあります。
ただし、地元でも有名な専門店がある場合は、直接持ち込んで査定してもらうのもいいかもしれません。
たとえば、キャンピングカーの専門店や福祉車両をカスタムしている中古車販売業者などです。
この場合も一括査定よりオークションを先に利用して相場を見ておくほうがいいでしょう。
低年式車は高く売るなら?
たとえば年式が10年以上経っている軽自動車やセダンなどは買い取り案件としてはあまり高い取引になることはありませんが、欲しがっているユーザーもいます。
中古車として展示するほどのコストは掛けられませんが、買い手が決まっている場合はオークションで探している業者が一定数います。
「掘り出し物」はオークションで見つかる
広い展示場を持つことができない中古車販売業者は、車検や修理から車の買い替えに発展して「なんか安い中古車探してよ。」と依頼されることがあります。
買い手が現れてから中古車を探すという業態ならオークションや取引業者から業販で仕入れるくらいしか車を仕入れる方法がありません。
今回ピックアップしているユーカーパックの場合、中古車業者としては月々の会費やメンテナンス料金も必要なく、中古車を落札した際の落札手数料を支払うだけで加入することができます。
そのため地元の地域密着型の整備工場が利用していることもあり、「その車、ウチが欲しい!」というピッタリな買い手が見つかることもあります。
■ここまでのまとめ
実用的な軽自動車やセダンでも低年式車は一括査定サイトよりもオークションに出してみてから売り先を決めるのもおすすめ
いっぽうで、カーセンサーなどの一括査定サイトでは数十万円以上の買い取り案件でなければ積極的に査定に来てくれることも少なく、なかには「廃車ですね」などと言ってくるとこもあります。
カーセンサーでオークションを利用することもできる
この記事の冒頭でも少し触れましたが、カーセンサーとユーカーパックは業務上で一部提携していて、カーセンサーで査定を申し込むさいに、「オークション形式を利用する」という項目を選ぶことができます。
ここでのオークションとはユーカーパックのことで、カーセンサー経由でユーカーパックの仕組みを利用することができるのです。
中古車のデータを共有する提携
2018年10月30日から、ユーカーパックはカーセンサーの車両掲載システム「C-MATCH(シーマッチ)」との登録車両データの連携を開始しています。
つまりユーカーパックの業者向けサービス「UcarBID」ではカーセンサーに掲載されている中古車の情報も閲覧することができるようになっているのです。
お互いの得意な部分を補うような形での提携ですが、結果的にはユーザー側にもメリットが増えたのではないでしょうか。
まとめ
カーセンサーとユーカーパックのどちらがおすすめ?
結論として、車を高く売るなら一括査定とオークションのどちらがおすすめなのか、ということになりますが、どんな車を売りたいのかというところでおすすめするサービスが違ってきます。
高額な買い取り案件はカーセンサー
買取額が200万円を超えるような高年式車や人気車、高級車の場合は、オークションでの仕入れには抵抗がある業者が多く、カーセンサーのような直接査定をしたいと考えています。
そのため、ユーカーパックに出品しても入札に慎重になってしまう業者も少なくないので最高額まで入札額が上がるのかは相場や車種によって違ってきます。
車を売るユーザー側としては、とにかく高く愛車を売りたいので、オークションよりは一括査定のほうがいいのかもしれません。
ただし、高額な買い取り案件は買い取る業者も必死なので、電話営業の数も多く、なかにはモラルに欠けるような常識のないアプローチをしてくる業者もいるかもしれません。
人気車ならどちらのサービスもおすすめ
人気車の中でも買取額が150万円以下となるような、高年式の人気軽自動車や5年落ち以内のミニバンなどなら一括査定でもオークションでも高い買取額を引き出すことができます。
人気者は展示場に並べているだけで道行く人が見ていくこともあり、そのまま商談で売れてしまうというケースもありますし、カーセンサーなどの中古車サイトに並べているだけで問い合わせがはいることもよくあります。
つまり買い取ればすぐに売れる可能性が高く、回転率のいい商品なので業者はつねにほしいと考えています。
一括査定でもより多くの業者からの問い合わせが入る
人気車で一括査定に申し込むとかなりの数の買取業者から電話が入り、電話対応だけで大変ですが、それぞれの業者と価格交渉をしていくことでかなり高い買取額を引き出すことができます。
とはいえ、価格交渉や査定に時間や手間を取られることにもなるので、とにかく1000円でも高く車を売りたいと考えている人にはおすすめです。
オークションでは多数の入札が期待できる
ユーカーパックなどのオークションでも、人気車が出品されるとオークションでもかなりの盛り上がりが期待できます。
とくにユーカーパックでの「売り切り価格」に入札額が到達するとすべての業者に向けて売り切り価格のフラグが付きます。
そのため後半になると入札してくる業者が増え、それぞれの入札額に被せるような動きがあります。
旧車や低年式車はオークションがおすすめ
一括査定に査定依頼をしてもいい反応がえられないのが低年式車や不人気車、それから旧車のような買い手を選ぶような車種です。
査定業者としては一度の出張査定にかかる交通費や人件費などのコストは同じなので、できるだけ大きな金額の査定案件を追いかけたいと考えています。
そのため、たとえば「買取額が5万円」となることが予想できてしまうような車の査定は敬遠する傾向があります。
ですが、ユーカーパックの場合はオークションで落札された金額に応じた手数料を業者からもらう仕組みなので、参加している業者が多いほど高い入札が入り、収益になります。
予想していた以上の入札額で落札されるような事例もあり、まさにオークション形式の最大のメリットといえます。
まとめ
今回は一括査定とオークションではどちらが車を高く売ることができるのかというテーマで比較をしてきました。
ただし、サービスの内容には対象的な部分もあり、カーセンサーは複数の業者からの電話や買取価格の交渉などをその都度するため手間がかかりますが、ユーカーパックは電話も査定も一社だけです。
電話での営業が煩わしいと考えるならユーカーパックの手軽さがおすすめですが、愛車を最高額で売るなら一括査定で多くの買取業者と交渉するほうが有利です。
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